完熟、朝倉赤山椒



4~5月のタケノコが出始める頃、山椒の若葉を使って木の芽和えをします。

5月中旬~6月にかけ、軟らかい青い実実を使い、ちりめん山椒や佃煮にします。
6月中旬になると、青い実の中に種ができてしまいます。
こうなると、青実山椒としては収穫終了となります。

皆さんの中の山椒のイメージはこの辺で終わり。


その後の実山椒というと、

7月下旬~8月下旬になると青実山椒が固くなります。
種を取り除き、乾燥させ、粉にします。

これをうなぎにかけます。粉山椒です。


青実山椒は、これで終わりというわけでは有りません。
このまま9月下旬~10月中旬まで完熟させると、
とてもキレイな赤色になります。

岐阜県奥飛騨温泉郷の方では、
通常夏に収穫期を迎える青山椒をわざと収穫期を遅らせて、熟成させた完熟赤山椒にするそうです。熟成された赤山椒は、フレッシュな青山椒よりも香りが強く芳醇で、ピリリとくる刺激には奥行があるそうです。

というわけで、朝倉赤山椒です。


京都の伝統野菜の万願寺唐辛子も、青い時に収穫するのがメほとんどですが、
実は、完熟させた赤万願寺唐辛子の方が珍重されています。

赤万願寺唐辛子も赤山椒も、完熟させるまで時間がかかる事から、
樹に負担がかかるという事で、栽培している農家は減ってきているそうです。