種苗会社の試験場見学

収穫と出荷、黒豆の定植を圃場長に任せ、奈良の種苗会社の試験圃場へ見学に行きました。
この会社の品種を何種類か栽培しているので、栽培方法などを直接ブリーダー(生みの親)に聞くことができたので、本当に勉強になりました。
トマトの試食も全種類あり、今後の品種選定にも役に立ちそうです。



以前もF1種の事を書きましたが

「F1種は良くない」とか「在来・固定種が安全である」という話を色んな方面から伺います。
よくよく話を聞くと、「種ができないF1種は不自然」なんだそうです。

F1種も種ができます。
F1のトマトにも、ナスにも、キャベツにも、大根にも種はできます。
種が出来ないのではなく、F2世代で同じものが出来ないのです。


遺伝についての詳しい内容は、
以前の記事を参照くださいね。
「全部黄色のはずが・・・」
http://komsfarm.blogspot.jp/2017/05/blog-post_22.html


・固定種は、何度も自家採種を行い、同じものができるように固定したもの

・F1種は、試験場でコンピュータに計算をさせ、莫大なパターンからピックアップした組み合わせで、何度も人工交配を繰り返して、新しい品種を生み出している。

F1種は、自家採取をしたF2世代で同じものが出来なくても、またF1の種を買ってもらえれば、同じものができるでしょ?って事ですね。
だって、種を売っている会社だから。

そもそも、固定種とF1種の目的が違うという事ですね。

我々農家は、人の手によって何度も交配してしっかりと固定された固定種や、
種苗会社の緻密な計算と新たな交配によってできた汗と涙の結晶のF1種を、
信頼し購入することで、安心して思い通りの野菜を栽培できるのです。

ケールは、キャベツ系の先祖で、キャベツになったり、ブロッコリーになったり、芽キャベツになったり、コールラビになったりしています。
これは、進化や突然変異であったり、自然交配によるものであったりします。
これを古来から脈脈と品種を守っていると、在来種といわれたりします。

最近では、在来種も自然交配や気候により、昔と味や形が変化しているそうです。
ある地域の在来種を、別の土地で栽培することは、在来種を守ることになるのか・・・?という疑問も捨て切れないのですが、本当のところはどうなんでしょうね。

KOM'S FARMでは、どんな農法でも垣根を作らず、全てを柔軟に理解し、
参考になる事を知識として習得、自分たちの農法に合うようアレンジしています。
先輩は、それが「KOM'S農法」だよ。って言ってました。
固定種も、在来種も、F1種も、分け隔てなく栽培しています。
種の力を最大限に生かし、120%、150%、200%おいしくするのが私たちの仕事。

全ては「おいしい」のために!です。